成功の理由がわかるコラムを余すことなく
映画業界には、シリーズ作品は最初の作品を超えられないという都市伝説がある。長い歴史の中でも「ゴッドファーザー2」
のみがこの伝説を超えたと言われる。
その秘訣とは…。
シリーズ作品というものは、当然のことながら初作がヒットすることによって生まれるのだが、
その大きな要素が主人公のパーソナリティだ。主人公の印象が強ければ強いほど、二作目は、
前作の主人公と比較されてしまうのだ。
ゴッドファーザーPART II
ゴッドファーザー」「ゴッドファーザーPART II」共、
アカデミー賞作品賞の栄誉に輝いている。
一作目はマーロン・ブランドが主演男優賞を、
二作目はロバート・デニーロが助演男優賞に輝いている。
第一作でコルレオーネ・ファミリーを継承したマイケル・コルレオーネのその後を語ると同時に、若かりし頃のヴィトー・コルレオーネを描いている。第一作でヴィトー視点で物語を追ったことで、第二作でもその意識は高く、マーロン・ブランドとロバート・デニーロという同じ役の演者の比較を持って、前作を上回ったのではないだろうか。
アナと雪の女王2
子供への訴求の為に音楽に重点を置いた
狙うべき対象は、3.と4.だが、3.を囲むために、4.の層から3.に移行させることを彼は実践しているのだという。この2ステップによって、自分の確固たるファン作りに役立てているのだ。
アナと雪の女王といえば、ディズニークラシックがミュージカル要素が強いと言われる中でも、「レット・イット・ゴー」の大ヒットによって完全確立された。映画の中では挿入歌として使われたが、この曲に端を発し、作品劇中歌はどれも高い評価となり歌い継がれ、歌単体のイベントに波及した。第一作を見ている子供達にとって、アナもエルサも人物だという点で視覚的なパーソナリティ・イメージは弱く歌を歌っているシーンで訴求させた。
クリストフ「恋の迷い子(Lost in the Woods)」
前作の劇中歌のイメージを保つことで、子供にも訴求させようという狙いは、いささかやりすぎの感もあった。意識するあまり寄せすぎて「うん?パロディ?」と思ってしまう部分もあったのだ。しかしそれを払拭したのが、クリストフの歌う「恋の迷い子(Lost in the Woods)」だ。80年代ロックバラード風のこの楽曲は新鮮な上に、クリストフの見事な好感度を生み出した。
<できなかったことの裏返し教訓>
二匹目のドジョウを狙う時は、アングルを変えるべし!