養子縁組制度を考えてみた。
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written by Masatetu Akimoto

養子縁組制度を考えてみた。

更新日:2020年7月4日


 


 

アンジェリーナ・ジョリーは、ブラッド・ピットさんとの関係が始まる前から養子を迎えていて、交際後も迎え続け、合計で3人の養子を育てている。


2006年に「ジョリー・ピット基金」を設立し、長女のザハラの祖国エチオピアからエイズと結核を撲滅するための専門医療機関を建設計画に着手している。


海外に目を向ければ、彼らのように、人道支援に理解を示し、避難民の現状を訴えてながら、養子縁組の大切さを身をもって形にしているセレブは以外と多い。


海外では、子どもを授かるのが難しいとわかった段階で、養子を受け入れるという夫婦・カップルが増えているという。

また同性婚への理解も含め、今後は、その傾向はますます強まることが予想される。

つまりは、世界的に見て養子環境はより高まっていると言える。


筆者の弟も養子縁組をしている。


と言っても、上記のような人道支援のケースではなく、養子を迎え入れたわけでもない。

筆者を含めた弟の実母が若くして他界し、まだ小学校に入ったばかりの幼少だった弟には、育てる母親の存在として父親の再婚を機に、義母と養子縁組を行ったのだ。


筆者は、弟と9歳の年の差もあり、その必要性はないと見なされ、同時に実家を離れ大学進学をするタイミング出会ったこともあり、その訳合いに同意した。


ちなみに義母とは良好な関係である。




 
  1. オープン・アダプション

  2. 里親制度

  3. 普通養子縁組と特別養子縁組

  4. 物語に学ぶ養子縁組

まとめ:この職業には使命感が必要だ!

 

これを深掘りしていきます。


オープン・アダプション

耳慣れない単語だが、アメリカでは、法的にも守られている制度である。


従来の養子縁組は、どうしても養親の意識が強くなってしまう。何らかの事情はあれど、産むよりも育てるが、子供に必要なものと解釈される帰来があったが、本当は子供にとっての生みの親の存在は必要要素で、それをバランスをよく維持していくことこそが、オープンアダプションなのである。


つまりは、産みの親、養親、養子の三人がそれぞれにかかわりあって、生活を形成していくことによるそれぞれの成長を促しているのである。


これに対して日本は、自立支援の側面が大きいため、兎に角、成人するために施設等で暮らし、社会に放つ、ある意味、子供主体ではあるが、子供しか存在させぬ形態をとっている。


また、アメリカでは、虐待や育児法規によって死亡する乳幼児の数が多く、制度化することによって自体を未然に防ぐ役割も兼ねている。


つまりは、合理的な方法を取りながら、新しい形を受け入れることによって健全な人間関係が形成できたというコミュニケーションの良い例だと言えるのではないだろうか。




里親制度

養子縁組と似て非なる療育の形に里親制度がある。


養子、または前出のオープン・アダプションとは、考える視点が全く違い、これもまた、日本的な考え方に基づいた制度である。


つまりは、本来であれば、家庭という生活環境の中で学ぶべき部分を家庭に委託し、施設の生活でそぐわないところを補填しようという考え方である。


主体はあくまでも子供で、一定期間の大事な療育環境を大人(里親)に委ねるケース(養育里親)と、あくまで、施設生活を基準に一定の期間や季節、場合によっては週末だけ子供を預かるといった季節・週末里親、さらには、養子縁組を念頭に置いて子供と接する特別養子縁組里親にわかれる。


特別養子縁組里親飲み、他とは違ってボランティア要素ではなく、実際に子供を欲している家族と親子関係を構築する目的で行われている。


何れにしても、子供を主体としていることが要因なのか、養子であることはあまり公表されないケースが多い。



普通養子縁組と特別養子縁組

前述の通り、特別養子縁組を結ぶケースは、何らかの理由で子供に恵まれない親が、戸籍上の実親との親子関係を断ち切り、養親が実施と同じ扱いで縁組するケースである。


とはいえ、考え方としては子供の福祉要素が強く、実親と養親が接することなく引き取られ、その後も実親との関係を一切断ち切ることで、養親、養子の家庭関係を強くする。


これに対し、普通養子縁組という制度もある。


養⼦が実親との親⼦関係を存続したまま、養親との親⼦関係をつくる養⼦縁組形態で、主に家の跡継ぎを残すのために作られた制度と言える。


特別養子縁組は、自治体によっては、児童相談所で熱心に力を入れて取り組んでいるところもあるが、多くは民間の支援団体によって営まれている。


特別養子縁組により、養子を迎えるにあたっては、家庭裁判所での審判を減ることになり、子供はもとより、周囲にも隠したままでいることは難しいことであるし、そもそも養子という形態への理解を深めるためにも隠さず向き合う必要はある。


欧米とは考え方の根本が違うにせよ、日本が養子に対して開かれた環境を作っていくことは必要である。





 


 


特別養子縁組をしても子供が欲しいと思う親は、必ずと言っていいほど不妊治療を行っている。つまりは、恵まれなかった末に辿り着くのである。


不妊治療の分野でも、医療技術の進歩により多くの可能性が出てきている。



子どもを産んで、家庭を築くのが当たり前」と多くの人が考えていたベビーブームの時代とは、意識は違うが、子供ができない事実はまず女性を標的にする。


世界の出生率が一貫して減少している理由は、環境や経済、社会的状況の変化などさまざまではあるが、医療技術の進化によって、子供を持てる期待も大きくなるのは当然だ。


しかし、子供を授かるということは、カップルの問題であるので、パートナーが真摯に向き合わねば解決できない問題は多々ある。


筆者も短い間ではあったが、不妊治療の経験を持つ。


付き添いで訪れたような気分で、医師に事務的に「精子の状態を調べましょう」と言われ、その場で提出を求められた時は、対応に苦慮してしまったが、多くの不妊治療を行っているカップルが同様のことを求められるのだ。




物語に学ぶ養子縁組

養子縁組を題材にした物語として、この二作品を上げたい。


西加奈子「i」

辻村深月「朝が来る」


日本人とアメリカ人の夫婦の養子としてやってきたシリア人の女の子、アイ。

自分の名前と虚数のiとLOVEの愛。

シリア出身の彼女は、世界中で内戦やテロ、地震などの悲惨な出来事が起こる中、自分が恵まれた生活を送っていることに罪悪感をおぼえていた。やがてアイは人生に思い悩みながらも親友のミナや愛する人との出会いを通して、アイデンティティを確立していくという物語。


方や、子供に恵まれない夫婦が不妊治療の末、辿り着いた特別養子縁組への道、そこで出会った子供は、わずか14歳の中学生の母親が産み落とした子供だった。物語は、養親である母親と、子供を捧げた以降の実親と子供の3点から描かれ、クライマックスには震えるような感動に包まれる。

養子縁組をしっかりと知りたくなる秀作である。





まとめ:日本社会は、常に閉鎖した環境のもとで制度を考える。こと、人間が介在する制度においては、オープンである先に何が必要かを考えることが望まれるように思う。環境ではなく、実親、養親、養子のそれぞれが、認め合い作り上げる人生は美しい。


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